ダークマターの正体は何か?- 広大なディスカバリースペースの網羅的研究

公募研究募集要項

文部科学省 科学研究費助成事業 学術変革領域研究 (2020–2024)
ダークマターの正体は何か? — 広大なディスカバリースペースの網羅的研究
領域代表者: 村山 斉 (東京大学 国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構 教授)

領域の概要
 ダークマターはその存在が確実であり、宇宙の星や銀河を作った立役者だが、その正体は不明である。今までは素粒子物理学の要請から、約二桁の質量範囲のWIMPパラダイムに研究が集中していたが、2010年代の実験・観測で制限が厳しくなり、WIMP以外の候補への関心が高まっている。本研究領域では、ダークマターの質量で90桁にわたる広大なディスカバリースペースを網羅的にカバーするため、今までにない多角的な方法で理論から宇宙観測・地上実験にまたがる研究領域を拓くことを目指す。近年急速に技術が成熟したレーザー干渉計や、すばる観測・加速器・人工衛星 ・重力波・高エネルギーニュートリノを含むタイムリーな実験・観測を用いた研究を展開する。特に、日本が投資してきた既存の最先端施設を有効活用し、若手研究者のユニークなアイデアによって工夫を加えることでインパクトのある研究成果を導出することを目指す。天文学・物理学・工学の分野において融合的で飛躍的な研究の展開・開拓することを目指す。
 本研究領域では、宇宙の物質の大部分を占めるダークマターの正体を徹底的に解明するために、サイエンスの柱として、「軽いダークマター」、「重いダークマター」、「巨視的ダークマター」を立てた。理論研究計画(研究項目A01 – A03)では、初期宇宙におけるダークマターの生成機構、実験・観測の提案、さらに理論から導かれる新しい物理を研究する。
 実験計画研究(B01 – B06)では、世界をリードするアイデアに基づく実験・観測の実現、あるいは世界最高の宇宙観測データでダークマターの正体に迫る。具体的には、レーザー干渉計(B01)、すばる分光観測(B02)、広視野かつ高時間分解能天体イメージング(B03)、X線領域の革新的な観測技術(B04)、電子陽電子加速器(B05)、宇宙マイクロ波背景放射(B06)による観測・実験のダークマター研究を実現、展開する。
 さらに、量子重力理論などのトップダウン的アプローチでダークマターの存在、物理を自然に説明できる究極理論を探る計画研究(C01)、大規模数値シミュレーションを用い、異なるダークマター候補が及ぼす宇宙の構造形成への影響を調べる計画研究(C02)を配置し、サイエンス間、計画研究間の協奏を実務的に促す。

公募する内容、公募研究への期待等
 本研究領域では、研究計画をまたがるトップダウン型理論研究(C01、C02)とボトムアップ型理論研究(A01 – A03)から指針を得て、世界に先駆けた独自の地上実験・宇宙観測の計画研究(B01 – B06)によりダークマターの正体の解明を目指す。公募研究の理論研究には、超弦理論のような基礎理論と現象をつなぐような斬新なアイデア、また素粒子、宇宙、地上実験の分野、手法の垣根を超えたダークマターの物理の研究、あるいはダークマター探査の手法を研究する公募研究を期待する。公募研究の実験研究では、本研究領域の計画研究とは異なる実験手法や観測手段に基づく研究、実験あるいは機器開発の公募研究を期待する。さらに、本研究領域の計画研究では集中的にカバーしない、宇宙ひもなどの初期宇宙に生成され得る位相欠陥の生成シナリオの理論研究、またその存在量を制限するための本研究領域の観測データを用いた公募研究も期待する。
 本研究領域の計画研究と相補的なテーマ、幾つかの計画研究にまたがる横断的提案、既存の概念に囚われない萌芽的・独創的な理論・実験・観測の研究を期待する。なお、各研究項目の詳細については、領域のホームページを参照のこと。

公募する研究項目、応募上限額、採択目安件数
研究項目番号研究項目応募上限額
(単年度当たり)
採択目安件数
    E01ダークマターに関する実験・観測的な研究  240万円     9件
    E02ダークマターに関する理論的な研究  200万円     8件

公募要領等の詳細(文科省HP)
■令和5年度科学研究費助成事業‐科研費‐(学術変革領域研究(A)(公募研究))の公募について
https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/boshu/1394559_00009.htm
■公募要領、計画調書のダウンロード
https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/boshu/1394561_00006.htm
参考情報
■科研費LaTeX (公募研究計画書にも対応)
https://osksn2.hep.sci.osaka-u.ac.jp/~taku/kakenhiLaTeX/


はじめに

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