問1.
問2.
X をコンパクトで向き付けられた n 次元多様体とする。(ポアンカレ双対定理が成り立っていることは認めて使って構わない。)X\times X のドラーム・コホモロジー群 H^*(X\times X) に、convolution product を
\alpha\ast \beta = \int_X p_{12}^* \alpha \wedge p_{23}^* \beta
で定義する。ただし、p_{12}, p_{23}: X\times X\times X\to X\times X は、第一、第二成分への射影で、積分は第二成分について行い、その結果は第一成分と第三成分の積の X\times X 上の微分形式と考える。このとき、H^*(X\times X) をconvolution algebra で環としたものは、どんな環であるか?
ヒント X は m 個の点からなる空間としたら、どうなるか、まず考えてみよ。
問3. 講義中に、2次元の位相的場の理論は、可換なフロベニウス代数と対応することを紹介した。では、1次元の位相的場の理論は何に対応するか?
問4. フロベニウス代数 V として、(n-1)次元の複素射影空間のコホモロジー V = \CC[x]/x^n を取る。積は、多項式の積から誘導されるもの、 counit \varepsilon\to V\to \CC (訂正 \varepsilon: V\to \CC)は x^{n-1}を 1 に送り、他の x^i は 0 に送るものである。V に対応する2次元の位相的場の量子論を考える。実際に構成しなくても存在することは認めて使ってよい。種数 g の向き付けられた曲面 M に対する Z(M) を求めよ。
問5.
G を有限群とし、\CC[G] をその群環とする。すなわち、G上の複素数値関数の全体に、convolution
(\varphi\ast\psi)(g) = \sum_{h\in G} \varphi(gh^{-1}) \psi(h)
によって積を入れたものである。このとき、G上の類関数、すなわち共役類上で値が一定となる関数の全体は、\CC[G] の中心 Z(\CC[G]) となる。(これは証明しなくてよい。) counit \varepsilon: Z(\CC[G])\to \CC を、eをGの単位元として \varepsilon(\varphi) = \varphi(e) (訂正: \varepsilon(\varphi) = \varphi(e)/|G|)によって定める。指標の直交関係式から、これから可換なフロベニウス代数が定まる。(これも証明しなくてよい。)
Z(\CC[G]) の定める位相的場の理論を Z とするとき、種数 g の向き付けられた曲面 M に対する Z(M) は
Z(M) = \sum_\chi \left(\frac{|G|}{\dim\chi}\right)^{2g-2}
で与えられることを示せ。ただし、\chi はGの既約指標で、\dim\chi は対応する表現の次元である。
ヒント \chi\ast\chi は何になるか?