講演者:斎藤俊
タイトル:Implication of evolution of massive galaxies from the small-scale galaxy clustering in the BOSS CMASS sample
アブストラクト:スローンデジタルスカイサーベイ第III期(Sloan Digital Sky Survey III, SDSS-III)におけるBaryon Oscillation Spectroscopic Survey (BOSS)は、バリオン振動スケールの測定を主目的として、約100万個の明るいの銀河をz~0.5まで観測する大規模な宇宙論的サーベイで、史上最大規模の3次銀河地図を提供している。本講演の目的は、BOSSの主要銀河サンプルであるCMASS銀河が、宇宙大規模構造形成においてダークマターハローとどのように共進化しているのかを議論することである。CMASS銀河は、z~0.5という比較的高赤方偏移にある、およそ10^11太陽質量以上の明るく重い銀河であり、主に星形成が止まった赤い銀河から成る。したがってCMASS銀河は、宇宙論的目的にはもちろん、銀河形成シナリオを研究する上でも興味深い対象であろう。本講演では、N体シミュレーションにおけるダークマターの(サブ)ハローと観測されたBOSS CMASS銀河の分布を関係づけるために、subhalo abundance matchingまたはsubhalo age matchingという手法を用いる。ダークマターハローと銀河分布を関係づけるもっとも伝統的な手法は、ホストハローの質量のみの関数として銀河のダークマターハロー内での分布を特徴付けるHalo Occupation Distribution (HOD)と呼ばれるものである。matchingの手法は、HODと比較して少ないフリーパラメータで現実的な擬似銀河カタログを作成することができ、さらに近年の研究からHODに対する様々な利点が見つかってきている。本講演では、こうしてmatchingの手法に基づいて作成した擬似銀河カタログにおけるクラスタリング分布の2点相関関数の、赤方偏移・色・スケールの依存性を、観測におけるそれと比較することで、CMASS銀河がダークマターハロー内でどのような分布をしているかを示す。またその結果に基づいて、セントラル・サテライト銀河の色分布などを手がかりに、銀河進化シナリオに関する示唆を議論したい。スローンデジタルスカイサーベイ第III期(Sloan Digital Sky Survey III, SDSS-III)におけるBaryon Oscillation Spectroscopic Survey (BOSS)は、バリオン振動スケールの測定を主目的として、約100万個の明るいの銀河をz~0.5まで観測する大規模な宇宙論的サーベイで、史上最大規模の3次銀河地図を提供している。本講演の目的は、BOSSの主要銀河サンプルであるCMASS銀河が、宇宙大規模構造形成においてダークマターハローとどのように共進化しているのかを議論することである。CMASS銀河は、z~0.5という比較的高赤方偏移にある、およそ10^11太陽質量以上の明るく重い銀河であり、主に星形成が止まった赤い銀河から成る。したがってCMASS銀河は、宇宙論的目的にはもちろん、銀河形成シナリオを研究する上でも興味深い対象であろう。本講演では、N体シミュレーションにおけるダークマターの(サブ)ハローと観測されたBOSS CMASS銀河の分布を関係づけるために、subhalo abundance matchingまたはsubhalo age matchingという手法を用いる。ダークマターハローと銀河分布を関係づけるもっとも伝統的な手法は、ホストハローの質量のみの関数として銀河のダークマターハロー内での分布を特徴付けるHalo Occupation Distribution (HOD)と呼ばれるものである。matchingの手法は、HODと比較して少ないフリーパラメータで現実的な擬似銀河カタログを作成することができ、さらに近年の研究からHODに対する様々な利点が見つかってきている。本講演では、こうしてmatchingの手法に基づいて作成した擬似銀河カタログにおけるクラスタリング分布の2点相関関数の、赤方偏移・色・スケールの依存性を、観測におけるそれと比較することで、CMASS銀河がダークマターハロー内でどのような分布をしているかを示す。またその結果に基づいて、セントラル・サテライト銀河の色分布などを手がかりに、銀河進化シナリオに関する示唆を議論したい。
発表スライド:(PDF)