アブストラクト:
宇宙初期における原始銀河団の形成を調べることは、銀河形成・進化を知る上で重要である。Hubble Frontier FieldsプロジェクトによるAbell 2744銀河団領域の探査の結果、z~8の星形成銀河が極めて高密度に集まっている領域が発見された。本研究では、Millennium Simulationとの比較により、このような高密度領域がどのように進化するのかを調べた。シミュレーション内で同じような密度を持つ領域は、z=0で銀河団中心銀河 (BCG)に成長し、周囲の銀河を取り込みながら10^14 M_sun程度のハロー質量を持つ銀河団に進化することがわかった。この結果をふまえ、本講演では高赤方偏移でどのようにBCGの祖先が形成されたかを議論する。