アブストラクト:
銀河周囲の物質の空間分布を調べることは、銀河形成・進化を解き明かす上で重要である。そこで、z~2の中性水素や金属の空間分布をかつてないスケール(~数100cMpc)で調べることを目標とし、Ouchi et al.がSubaru/HSCによる観測準備にあたっている。本研究では、この観測に必要な新しい4枚の狭帯域フィルターを設計するため、数値シミュレーションを行なった。このHSC観測では十分な観測体積(従来の100-1000倍)を保持しつつ赤方偏移精度Δz=0.01を達成することが求められている。星の種族合成モデルを用いて銀河のスペクトルを作成し、各フィルターのfluxを見積もることによって、上記の条件を満たす最適なフィルターを決定した。