アブストラクト:
銀河系最古の天体である球状星団は、同程度の光度を持つ矮小楕円銀河と比べて非常にコンパクトな星団として知られている。しかし、初期宇宙にコンパクトな星団が形成される過程については明らかとなっていない。宇宙再電離期を考慮すると、多くの球状星団は背景紫外線輻射場中で形成されたことが示唆されることから、本研究では3次元輻射流体力学計算により、非等方背景紫外線輻射場中の星団形成シミュレーションを行った。講演では、本研究の星団形成モデルについて説明し、背景輻射場の強度によって形成される星団のサイズが制御されること、また特に背景輻射場の非等方性に依らずに、球状星団程度のコンパクトな星団はガス雲の大半が電離されるような強い紫外線輻射場中で形成可能であることを示す。