アブストラクト:
"現状の原始銀河団探査は,QSO/電波銀河に着目する方法や,単純にLBGsの密度超過に着目する方法によってなされてきた. しかし,近傍の銀河団の中心部,”コア”となっている領域では,銀河進化の環境依存性が顕著に現れており,遠方についてもこの領域にある銀河を見出すことで,銀河進化の環境依存性や銀河団の進化についての手掛かりを得ることが期待できる. 今回の研究では,COSMOS fieldにおいて,この遠方の原始銀河団における”コア”の領域を見出す方法として,high-SFR銀河や重い銀河に注目し、そのの密度超過を、現状の原始銀河団探査で採用されている探査半径よりも,1桁程度小さい半径で測ることを試みた.また,その発見した原始銀河団の”コア”と,従来の原始銀河団探査の比較を行った. 見つかった原始銀河団の""コア""は近傍銀河団の数密度と一致しており,また従来の方法が原始銀河団探査を行う上でコンプリートでないことも明らかになった."