アブストラクト:
遠方の小質量銀河を調べることで、形成初期の銀河の進化について示唆を得られる。本研究では、星種族とダークマターハローを組み合わせた観点から、cosmic noonの小質量銀河の星形成活動について初めて議論をし、その多様性を明らかにした。SXDS領域のz~2.2のLyα Emitters(LAEs) 604 個を中心にサンプルを構成し、光度等に基づいてサブサンプルに分けて、クラスタリング解析とSED fitを行った。その結果、 我々のLAEs の3分の2は、star formation main sequence(SFMS)の外挿にのり、残りの3分の1は、 ∼ 10^7 M⊙ という非常に低い星質量で爆発的に星を形成していることがわかった。SFMSに乗っているLAEsでも、stellar to halo mass ratio(SHMR)がMS銀河と同定度のものと、ずっと小さい値を取るものが存在する。また、非常に低質量の爆発的星形成銀河は、非常に大きなSHMR、バリオン降着率よりも大きな星形成率をもつと推定され、新たな銀河種族かもしれない。本講演では、このような多様性の起原についても議論する。今後は、HSCのデータを用いて統計を増やし、理論的研究と比較することで、その星形成メカニズムや性質の示唆を得たい(Kusakabe et al. in prep)。