アブストラクト:
銀河に存在する固体微粒子(ダスト)はその種類、量、サイズによって星形成率やスペクトルエネルギー分布など、銀河進化を反映する物理量に強く影響を及ぼす。従って、どのダスト形成源によって、どのくらいのダスト量が形成されたかを考えることは、銀河進化を理解するうえで重要である。Asano et al. (2013)はダストの形成源や形成過程を考慮したダスト質量の進化モデルを構築した。このモデルでは、ダスト質量進化が星からの供給、星間物質中での成長、星形成において星に取り込まれる効果(星化)や衝撃波破壊を通じて星形成タイムスケールに依存する。しかし、この依存性の検証はまだ十分にはされていない。本研究では、ダスト質量が星間物質中で成長できる星形成タイムスケールを定量的に検証した。これにより、あるタイムスケールを境にダスト成長が効き始めることが見出された。