Abstract:
銀河全体で積分した物理量の関係、いわゆるスケーリング則は多様なものが知られており、これを規定する素過程の解明は銀河物理学上の重要課題のひとつである。 本研究では近傍銀河における星形成率と星質量の関係、star formation main sequence (SFMS, e.g., Brinchmann et al. 2004) とガス質量、および星質量の関係に注目した。 どちらの関係も先行研究においてはそれぞれの銀河全体を積分したグローバルな関係として求められていたものである。 近傍銀河のサンプルはDustPediaとCOMING (CO Multi-line Imaging of Nearby Galaxies) プロジェクトから選択した。 kpcスケールに空間分解した近傍銀河における、SFMSとガス質量と星質量関係はともに、銀河全体を積分したグローバルな関係と同じ傾向を示すが、銀河の形態によって系統的に異なることが見出された。本発表ではこれらについて報告する。