佐々木・アインシュタイン多様体は、一時期特に日本では盛んに研究されたが、その後は余り数学者の関心を集めなくなってしまった。しかし、近年、超弦理論のAdS/CFT対応の文脈で佐々木・アインシュタイン多様体が大いに活躍し、その意義が見直されつつある。これらの発展の多くは、物理に動機づけられたものであるが、その物理的背景を忘れ、純粋に幾何的意味を考えても興味深いものである。今回は、佐々木・アインシュタイン多様体の最近の発展(例えば体積やリーブベクトルの決定、計量の存在や一意性、具体的な計量の構成等)からトピックを選んで述べたい。時間に余裕があれば、超対称箙ゲージ理論との関わりについても触れるかもしれない。