ブレーンタイリング(brane tilings)

ブレーンタイリングとは、もともとは2次元トーラス上の2色グラフとして導入されたものであり、 4次元N=1超対称箙(えびら)ゲージ理論を研究する道具として導入されたものであり、5次元佐々木-Einstein多様体の場合のAdS/CFT対応に応用されるなどして大きな成功を収めた。しかし、ブレーンタイリングとは、単なるグラフにはとどまらず、D5ブレーンとNS5ブレーンからなる物理系としてのより積極的な意味を持つものである。本セミナーでは、この立場に立ってこれまでのブレーンタイリングの発展を振り返り、何がブレーンタイリングによってなされたのか、そして何が課題として残されているのかについて述べたい(レビュー論文arXiv:0803.4474[hep-th]を参考にしてください)。