第1問 下図のような単振り子の運動を考えよう。
1)図のように拘束力 f を考える。仮想変位 δ を考え、拘束力が仕事を しないことから質点の運動方程式を求めよ。
2) 力のモーメントのy 成分 (y軸は画面に垂直な方向)
Ny = z Fx - x Fz
により角運動量 Ly が変化する式を書き下し、上記の運動方程式と同じになることをたしかめよう。
第2問 1) 下図のような2重振り子の運動方程式を求めよ。
ヒント)ラグランジアン L = T - U からラグランジュの運動方程式を導く。 この際、微小振動 θ, φ<< 1 を仮定してよい。
2) θ =A exp( i ωt ), φ =B exp( i ωt ) の形の解を仮定しω に対する条件を考察せよ。
第3問 磁場 B の中を動く荷電粒子(m, e) の運動を考えよう。ベクトルポテンシャルを用いて B = ∇× A と与えられ、また別のベクトルポテンシル a = A + ∇ f も同じ磁場 B を与える。ただし f は 座標 x,y,z のみの任意の関数である。 磁気力を与えるポテンシャルはそれぞれ異なる(Aに対して U, a に対してU' としよう)が、 対応するラグランジアン L = T - U, L' = T - U' は同じ運動方程式を与えることをたしかめよ。
第4問 逆2乗則にしたがう保存的中心力、すなわちポテンシャル U(r) = - k / r の もとで質量 m の質点が運動している。解軌道は
で与えられることを示せ。ここで E は系のエネルギー関数、l は角運動量、 θ' は積分の定数の一つである。
第5問 外力 F(q) = - l q + a q2 (定数 l, a > 0) のもとで 1次元運動を行う質量 m の質点を考える。系の全エネルギーが保存することを ハミルトンの方程式を用いて示し、この運動の位相空間 (q, p) 上での 軌跡を図示しよう。p > 0, q > 0 から運動を始めると考えてよい。
第6問 ポアソン括弧は次の関係をみたすことをたしかめよう。 変数は(q,p)としてよい。
1. {A, B} = -{B, A}
2. {A+B, C} = {A, C} + {B, C}
3. {A, BC} = {A, B}C + B{A,C}
また、A, B が力学変数(一般化座標 q や 運動量 p)の場合も計算でたしかめよ。
第7問 ルジャンドル変換の例を一つ示せ。
第8問 質量 m の質点がx方向に1次元運動している。一定の外力 f が作用しているとき、ハミルトニアンは
H = (p2 / 2 m) - f x
で与えられる。ここで p は x に対する共役運動量である。
1) 別の一般化座標 X とその共役運動量 P を正準変数とするハミルトニアン K を考える。
母関数を F = S(x, P, t) - XP とすると
p = ∂S/∂x, X = ∂S/∂P, K = H+ ∂S/∂t
が成立する場合は、正準変換の方程式
p dx/dt -H = P dX/dt - K + dF/dt
が満足されることを示せ。
2) 特に、新しいハミルトニアンに対して K=0 を与える母関数Sをハミルトンの主関数とよぶ。
K = H+∂S/∂t = 0 から得られるハミルトン-ヤコビの偏微分方程式をこの問題の場合に書き表せ。
3) S = W(x, a) - a t の形を仮定して、ハミルトン-ヤコビの偏微分方程式を解け。すなわち
W = ... の形で解を求めよ。
以上全8問