本領域について

素粒⼦実験や宇宙観測など, 宇宙への根源的な疑問に答えるために⾼い科学⽬標を掲げて実施される研究は, 感度と分解能のたゆまぬ追求の結果として, 極限性能を持つ先端的検出器の研究開発を牽引してきました。そして, 物質の究極の姿を探るための素粒⼦・原⼦核実験においては, ⼈類の持つ技術の粋を尽くし, 最先端の技術を用いた⾼度な加速器研究が極めて重要な位置を占めます。本領域は, 宇宙観測を⽬的に開発された革新的な先端検出器を, 超⾼強度負ミュオンビームを中⼼に, ⾼エネルギー光⼦, 偏極を付加したRIビームという, ⽇本が国際的に極めて優位な位置にある, 3つの「エキゾチック」な量⼦ビームの研究を結びつけ, 新たな視点や手法による研究を共同で⾏うことを⽬指して発⾜しました。

本領域は, ⼀⾒, 異なる舞台の上で研究を⾏う研究者グループが, ⾼度な知⾒を持ち寄り, 共同でそれぞれの実験を行うことで, 革新をもたらす検出器を有機的に連携し, さらに共通となる物理原理の相互理解をはかる点に特徴があります。これによって, 新たな視点や手法による共同研究を行い, それぞれの基礎物理分野の研究を深化させるばかりではなく, 核医学から非破壊元素分析にいたるまで, 応用研究においても, 全く新しい展開がもたらされると考えています。

What’s New

2023.05.24 班会議
第 55 回 総括班会議が 2023 年 5 月 24 日 に開催されました (online)。
2023.04.22 アウトリーチ
武田伸一郎氏(東京大学, C01) が, 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)と東京大学宇宙線研究所 (ICRR) が主催する合同一般講演会「ガンマ線で観る/天文学と医学」において, 「ガンマ線撮像装置開発の旅」というテーマで講演しました.
2023.04.28 受賞
木野量子氏 (東北大学, A02) 第 13 回測定器開発優秀修士論文を受賞しました.
2023.04.25 班会議
第 54 回 総括班会議が 2023 年 4 月 25 日 に開催されました (online)。
2023.03.29 受賞
三宅康博氏 (KEK, C02) が 2022 年度 日本中間子科学会功績賞を受賞しました.
2023.03.29 受賞
邱奕寰氏 (大阪大学, B01) が 2022 年度 日本中間子科学会奨励賞を受賞しました.
2023.03.22 受賞
阿部喬氏 (理研, B03) と 大塚孝治氏 (東京大学/理研)が FY2022 理化学研究所 梅峰賞を受賞しました.
2023.03.22 受賞
梅垣いづみ氏 (KEK, B01) が 第 17 回 (2023 年) 日本物理学会若手奨励賞を受賞しました.
2023.03.22 受賞
木野量子氏 (東北大学, A02) が 第十三回 (2022 年度) J-PARC ハドロンホールユーザー会 (HUA) 修士論文賞を受賞しました.
2023.03.17 プレス
中村信行氏 (電通大, A01), 高橋忠幸氏 (東京大学, C01), 渡辺伸氏 (JAXA, C01) ら A01 & C01 班を中心とした研究グループによる実験研究が「X 線偏光で捉えた特異な量子干渉効果」として電気通信大学, 東京大学 Kavli IPMU, 筑波大学, 自然科学研究機構核融合科学研究所から共同プレスリリースされました。
2023.03.15 アウトリーチ
高橋忠幸氏(東京大学, C01) が, 一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン 柏の葉ライフサイエンス協議会が主催する, 一般向け講演会で, 「宇宙 X 線観測装置を応用した次世代放射線内用療法のための新規核医学イメージングシステムの研究開発」というテーマで講演しました.

今後の予定

計画研究

  • A01
    負ミュオンビームによる原子分子物理の精密検証と宇宙物理観測への展開

  • A02
    高エネルギー光子ビームで探る原子核内部と中性子星深部

  • B01
    負ミュオンビームを用いた新たな非破壊元素分析法

  • B02
    マッハ衝撃波緩衝領域での飛行中ミュオン触媒核融合の創生

  • B03
    高偏極RIビームの生成と核・物質科学研究への応用

  • C01
    宇宙硬エックス線・ガンマ線検出テクノロジーの異分野への展開

  • C02
    最先端負ミュオンビーム開発