プリンストンより

今日で, 表現論のセミナーは終わった. ハードで疲れたが, 非常に充実した3ヶ月弱であった.

火曜日が表現論のセミナーの日で, その他に水曜日の夜にbabyセミナーと称して少し前の結果の紹介, そしてそれに加えて週2回 perverse sheafのintroductionのセミナーが行われた.

火曜日の午前中は, Lusztigのcharacter sheafの連続講演,そして午後は私の箙多様体の連続講演であった. それぞれ7回ずつあった, 来週からLusztigが日本に行くので,終わったのである.

# Lusztigはベジタリアンなので, 日本で会った人はいっしょに豆腐を食べに行ってあげてください. ちなみに, 私は日本に帰れません....(^^;

7回の連続講演の内容は, はじめの5回でcharacter sheaf理論の全貌, そして最後の2回でp-adic群のunipotent表現への応用であった. Lusztigの偉大さを思い知らされた連続講演であった. 構想の大きさ, 素晴らしさは無論のこと, cuspidal local systemの分類など, そのpowerにも圧倒される. 彼は, 計算が好きなのであろう. 講演の途中で出てくる例は, ほとんどがE8であることから見ても明らかである.

babyセミナー(の特に前半)ではアファイングラスマニアンが取り扱われた. その上の同変perverse sheafに`convolution'で積を入れたtensor categoryとLanglands dual群の表現のtensor categoryが同型になることが知られており, 表現の性質がすべてアファイングラスマンの幾何学的な性質に反映されるのである. 出発点は, Lusztig: Singularities, q-analog of weight ....であるが, Beilinson-Drinfeldの幾何学的Langlands対応でも中心的な役割をするらしい. 非常に面白かった.