1997/04/16 京都大学談話会 「代数曲面上の点のヒルベルト概型」
非特異代数曲面の 0次元部分スキームをパラメトライズするヒルベルト概型を考える. これが非特異で代数曲面の対称積の特異点解消を与えることや, 元々の代数曲面上のシンプレクティック形式が``遺伝''することなどは, よく知られていたが, そのホモロジー群の構造はその次元が計算されていた以外は数年前まではあまりよく調べられていなかった.
最近, 以下のようなことが分かってきて, 他の分野と関連するようになり面白くなってきた.
- ホモロジー群が(点の数を動かして直和を取ることによって)ハイゼンベルグ代数の表現空間になる.
- 元々の代数曲面が曲線を含むときにヒルベルト概型内にある部分概型が定まって, その基本類が対称式と関連する.
- より一般に階数が1のtorsion-free sheafのモジュライ空間のホモロジー群を考えると, 元々の代数曲面の交叉形式をlatticeと思って作った頂点代数で記述される.
これらの事柄について報告したい.