1998/01/29 Workshop "Algebraically Integrable Systems and Superstring"における講演:
Moore-Witten の論文(hep-th/9709193)の紹介
講演をするまで
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1997年秋: 深谷さんから清水さんがMoore-Wittenを紹介してくれる人を探しているという情報を受ける. 気を付けなくては, と思う.
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1997年11月: 清水さんからメールで依頼を受ける. 物理の人と一緒のシンポジウムであることを初めて知る. 物理の人にはいろいろと話を聞かせてもらっているので, 責任感を感じ, 思わず引き受けてしまう.
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1997年12月: 同じ論文の物理側からの紹介をする菅野さんと相談して, 式(3.20)の導出までを菅野さんが担当し, それ以降の数学で知られていた結果との照らし合わせを中島が担当することとする.
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4次元のゲージ理論(Donaldson不変量)は, 他の数学とはあまり関係ないので, 知識があまりない私でも論文を読めばなんとかなるのではないかと, 気軽に考えていた.
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1998年1月始め: やっと, 本気になって論文を読み始める. (言い訳: しばらく論文を書くのに忙しかった.) 今になって, Moore-Wittenに現れている計算と, Harvey-Moore-Borcherdsのautomorphic formのcorrespondenceとの関係があることを初めて認識した. これらの論文は読んである暇がない. (^_^;
講演内容
この論文では, b2+ = 1 の 4次元多様体のDonaldson不変量を取り扱っている. Seiberg-Wittenにより, 真空のモジュライ, u-plane の構造が明らかにされたが, その上の積分によってDonaldson不変量が記述される. 特に, Wall-crossing 公式, blowup 公式など数学で知られていた公式が``自然に''再証明される. これらについて数学の証明と照らし合わせながら紹介する.
nakajima@kusm.kyoto-u.ac.jp