講演者:後藤亮介 (東京大学)
タイトル:SED依存するライマンアルファ輝線銀河のダークハロー質量
アブストラクト:ライマンアルファ輝線銀河(LAEs)は遠方宇宙で見つかる星形成銀河の一種であるが、サンプル数を増やすことが難しいため、紫外連続光でセレクションされるライマンブレイク銀河(LBGs)に比べてそのダークハロー質量との関係はほとんど理解されていない。本研究では、SXDS領域で得られた赤方偏移2.2のLAEsに対して二点相関関数を計算し、理論予測と比較することで平均ダークハロー質量を推定した。LAEsの典型的なハロー質量は$\sim10^{11}M_\odot$程度であることを明らかにした。さらに、紫外線光度、Lya光度、Lya等価幅を変数にダークハロー質量の変化を調べたところ、前者2つの変数で見るとLAEsのダークハロー質量は二桁以上という広い範囲に分布することを発見した。紫外線光度が弱い、Lya光度が弱いほど重いダークハローをもつ傾向にあった。本講演では、LAEsの準解析的モデルと比較することで、これらの傾向の起源を解釈し議論する。特に、Lya光度の大小により、銀河の従う星形成モードが異なる可能性を議論する。
発表スライド:(PDF)