講演者:田村陽一 (東京大学)
タイトル:Serendipitous ALMA detection of a distant CO-emitting X-ray bright galaxy
アブストラクト:近傍銀河の ALMA (band 3) 観測中に偶然同定された、きわめて明るいミリ波輝線銀河 ALMA J0107 の検出を報告する。本天体は ALMA band 7 (890 um) でも同時に検出された。中間赤外線からセンチ波の SED を用いた測光的赤方偏移解析と、赤外線光度・輝線光度の比から、ALMA J0107 が z = 2.467 (ないし z = 3.622) における 12CO 輝線銀河であることがわかった。事実上、未知のサブミリ波銀河を輝線で直接検出したことになる。同時に検出された硬X線対応天体の SED 解析では、厚いガス (Nh ~ 2e23 cm^-2) に埋もれた明るい (Lx ~ 1e44 erg/s) AGN の存在が示唆される。宇宙論的シミュレーションから示唆される ALMA band 3 による同様の 12CO 輝線銀河の検出確率は高くない (~10^-3) 一方で、たとえ偶然であっても ALMA がミリ波輝線銀河を直接検出できるほどに十分な感度をもつことが示された。