講演者:鳥羽儀樹 (愛媛大学)
タイトル:1型2型AGNの個数密度比はAGN光度や赤方偏移に依存するのか
アブストラクト:活動銀河核(AGN)には、超大質量ブラックホールのまわりにダストがトーラス状に存在すると考えられている。 このダストトーラスを見込む角度によって、AGNは1型および2型AGNに大別される。我々は、近傍宇宙 (z~0.2)における1型2型AGNの個数密度比を中間赤外線光度関数を用いて算出し、その比が中間赤外線光度や赤方偏移に依存するのかを調べた。その結果、(i) 個数密度比は中間赤外線光度に依存すること、(ii) 個数密度比は赤方偏移には有意には依存しないこと が分かった。個数密度比はダストトーラスの中心核遮蔽率(ダストによって中心核が隠されている割合)と等価な量として解釈できることから、上記の結果はトーラスの構造がAGN光度に依存することを示唆している。(Toba et al.2013, 2014)