アブストラクト:
HSC-SSPの特徴の一つとして狭帯域フィルターデータが挙げられる。最新のS15Bのデータリリースでは、Ultra-Deepの2領域でNB816とNB921の2つの狭帯域フィルターデータが公開され、Deepの3領域でNB921、Deepの1領域でNB816データが公開されている。HSCフィルターは直径60cmもあることから、狭帯域フィルターの透過率曲線の中心波長や半値幅は中心からの距離に依存して変化し、視野内で非一様であることが知られている。そこで、狭帯域フィルターデータを使ったサイエンスの研究を行う前に、まず透過率曲線の非一様の影響や、HSCパイプラインで処理された狭帯域フィルターデータがサイエンス面からの要望に沿ったものになっているかを確認する必要がある。本研究会では、NB921狭帯域フィルターデータに対して行った解析結果について報告する。また、輝線銀河カタログの製作の進捗状況についても報告を行い、一人でも多くの方にHSC-SSPの狭帯域フィルターデータに興味を持ってもらう機会にしたい。