アブストラクト:
銀河団は大規模構造において特別な位置を占めると同時に、その高密度環境は銀河の性質にも大きな影響を与えていることが知られている。したがって銀河団形成を研究することは、宇宙の構造形成や銀河進化の理解に繋がる。近傍の完成した銀河団のみならず、高赤方偏移宇宙で発見されるような形成途中の銀河団である原始銀河団を観測することも欠かせない。しかし、銀河団は非常に数密度の低い天体であり、さらに高赤方偏移に存在する原始銀河団の発見個数は非常に少ない。そこでHSC戦略観測の超広視野撮像データを用いることで、これまでにない大規模な原始銀河団探査を行なった。100個以上もの原始銀河団候補を同定することができた。本講演では原始銀河団候補の選択方法を紹介するとともに、大規模サンプルに基づく統計的な性質について議論する。