アブストラクト:
近年の観測装置の発展により、赤方偏移6以上の銀河が数多く観測され、我々の初期宇宙における天体形成の理解は深まっている。一方で、赤方偏移10以上の初代銀河がどのように形成され、進化していったのかは理論的にも観測的にもほとんど理解が進んでいない。初代銀河は、ハロー質量が10の8乗から10乗太陽質量程度と小さいため、星やブラックホールからのフィードバックを強く受ける。従って、初代銀河は常に様々なフィードバックの影響を受けながら進化し、星形成が進んでいったと考えられる。我々は、超新星爆発の影響下において初代銀河がどのように形成、進化し、星形成を行ったかを数値計算により調べた。結果として、ハロー質量が10の11乗太陽質量以下では、フィードバックにより星形成が効率よく進まないことがわかった。また、フィードバックにより、初代銀河内のガス円盤の形成は阻害される事がわかった。本講演では、初代銀河において星形成がどのように進むかを紹介し、次世代望遠鏡による初代銀河の観測可能性についても議論する。