アブストラクト:
銀河系の中心部には、極端に広い速度幅(ΔV > 50 km/s)と小さな空間構造(d < 10 pc)で特徴づけられる「高速度コンパクト雲 (HVCC)」が多数検出されているが、その起源は未解明である。近年、我々は詳細な分子輝線観測の結果から、いくつかのHVCCの内部運動が点状重力源による重力散乱で説明できる事を示した。これらの点状重力源は、伴星を持たない孤立ブラックホールである可能性がある。