年度:2024

時間割コード:60233

開講科目名:全学自由研究ゼミナール

開講区分:A2

対象:学部1-2年生

講義題目:圏論的対称性入門

授業の目標・概要:自然界の記述において対称性はしばしば重要な役割を果たしてきた.数学的には対称性は群(group)で表現されるというのが長年の定説であったが,より一般的な数学の概念である圏(category)により対称性を表現するという考え方が近年重要性を増してきており,現在でも毎日のように関連論文が出版されているほどである.本講義では,基礎事項から出発して,講義の参加者がこの分野における最新の発展に触れることを目標とする.これらの話題は通常は大学院生が勉強する話題であるが, 本講義では学部1-2年生にも理解できるよう,専門的な知識はできるだけ必要としないように講義を行う予定である.

キーワード:対称性,群論,圏論,量子力学,統計力学,格子模型

授業計画:本講義の詳細な内容は講義の進度や聴衆からのフィードバックなどに応じて適宜変更していくが,現時点では以下の内容を取り扱う計画である.

  1. そもそも対称性とは何か
  2. 群としての対称性
  3. 線型代数とパウリ行列
  4. 格子系の量子力学
  5. 格子系におけるKramers-Wannier双対性
  6. 圏論的対称性
  7. さらなる発展事項

授業の方法:講義により行う.本講義は実験的なものであるので,聴衆からのフィードバックが重要となる.意欲的な学生のために,成績評価に関係しないより発展的な課題も提示し,場合によっては未解決問題にも取り組み実際の研究を行う機会を提供したいと考えている./p>

成績評価方法:出席及び授業中に出題する問題についてのレポート問題で行う./p>

履修上の注意・準備学習等(予習、復習):有限次元行列の掛け算や足し算といった線型代数の基礎事項については仮定する.本講義では発展的な事項も扱うので復習などを通じて自主的に理解するための努力が重要になる.学習上のアドバイス:本講義は通常の意味では発展的な内容を扱うので理解が難しいところもあるかもしれない.しかし,取り扱う概念自体は単純なものも多く,先入観を持たずに取り組めば,理解することは必ずしも難しくないはずである.