高エネルギー宇宙物理学

高橋研究室

東京大学 Kavli IPMU / 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻


2018年2月に高橋がJAXA宇宙科学研究所から,東京大学国際高等研究所Kavli IPMU(カブリ数物連携宇宙研究機構)に異動しました。引き続き東京大学理学系研究科物理学専攻より学生の受け入れをしています。Kavli IPMUの国際的な雰囲気の中、フェルミ衛星などを用いたガンマ線観測や、今稼働中のX線衛星を用いて、中性子星やブラックホール、超新星残骸などの高エネルギー宇宙物理学の研究を行なっています。また、太陽における非熱的放射の研究のため米国の研究者と共同でロケット実験(FOXSI)を続けています。同時に、MeVガンマ線の観測を目的とした次世代の宇宙観測用ガンマ線イメージング検出器の開発を進めています。これまで培ってきたガンマ線検出器の技術をもとに、電子工学、医学、薬学の研究者を加えた異分野融合チームを作り(チーム構成はこちら)、素粒子や宇宙観測の先端検出器を核医学,特にがん研究への加速的応用をはかることをめざした研究も開始しました。今年度以降入学する大学院生で博士課程に進学を希望する場合は、博士課程進学時に指導教員を変更する必要があります。本研究室では、修士課程の間に放射線計測、ガンマ線イメージング、FPGA等による回路開発など様々なハードウェア、ソフトウェア技術を修得しようとされようとする学生を歓迎します。

カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)

ニュース


2020年度
  • 2020/09/07 本研究室の河村さん(博士課程1年)が日本学術振興会の第2回若手研究者海外挑戦プログラムに採択されました。このプログラムは博士後期課程の学生が海外という新たな環境へ挑戦し、3か月~1年程度海外の研究者と共同して研究に従事できるよう支援するもので、将来国際的な活躍が期待できる豊かな経験を持ち合わせた優秀な博士後期課程学生等の育成に寄与するプログラムということです。
  • 2020/08/20 論文「Development of a Low-noise Front-end ASIC for CdTe Detectors(河村他)」がNIMA誌に受理されました。
  • 2020/07/28 論文「The thermal-radiative wind in the neutron star low mass X-ray binary GX 13+1(都丸他)」がMNRAS誌に受理されました。
  • 2020/07/27-28 ZOOMにて、高橋が領域代表をつとめる新学術領域「宇宙観測検出器と量子ビームの出会い。新たな応用への架け橋。」の領域全体会議がひらかれました。
  • 2020/07/20 米国ミネソタ大学、カリフォルニア大学SSL、国立天文台、JAXA、名古屋大学の研究者と共同でNASAに提案していたFOXSI-4観測ロケット計画が採択されました。
  • 2020/05/28 論文「Imaging and Spectral Performance of a 60 μm Pitch CdTe Double-Sided Strip Detector(古川、長澤他)」がNIMA誌に受理されました。
  • 2020/04 南 喬博さんが、東京大学の大学院生として本研究室のメンバーとなりました。
2019年度
  • 2020/03/30 論文「The thermal-radiative wind in low mass X-ray binary H 1743-322:II. iron line predictions from Monte Carlo radiation transfer(都丸他)」がMNRAS誌に受理されました
  • 2020/03/02 本研究室の米田浩基さんの博士論文「Study of the high-energy emission from the gamma-ray binary system LS 5039」が第6回(2019年度)高エネルギー宇宙物理連絡会博士論文賞を受賞しました。昨年度の桂川さんに続き、2年連続受賞という快挙です。
  • 2019/12/14-18 広島で開かれた国際会議「12th International "Hiroshima" Symposium on the Development and Application of Semiconductor Tracking Detectors (HSTD12)」で、本研究室の博士課程2年の河村さんと修士課程1年の長澤さんが口頭発表に選ばれました。
  • 2019/10/15-16 Kavli IPMUにて、本研究室が深く関わって、国際会議「The cosmos at high energies: exploring extreme physics through novel instrumentation」が開催されました、
  • 2019/09/19 論文「Probing entanglement in Compton interactions(P.Caradonna et al.)」がJournal of Physics Communicationsに受理されました。
  • 2020/08/06 論文「The thermal-radiative wind in low mass X-ray binary H1743-322;Radiation hydrodynamic simulations(都丸他)」がMNRAS誌に受理されました
  • 2019/07/17-18 イギリスのWinchesterにてX線天文学の国際会議XCalibur 2019が開かれ、本研究室の博士課程3年、都丸さんが 「The thermal-radiative disc wind in the low mass X-ray binary H 1743-322」というタイトルで発表をおこないました。
  • 2019/07/15-16 Kavli IPMUにて、新学術領域「宇宙観測検出器と量子ビームの出会い。新たな応用への架け橋。」の第一回研究会が開催されました、
  • 2019/05/31 大学院受験者向け,東京大学カブリIPMUの説明会@柏キャンパスが行われました。
  • 2019/04 本研究室博士課程の都丸さんが、学術振興会の日本学術振興会若手研究者海外挑戦プログラムに採択され、イギリスのDurham大学に長期派遣されることになりました。
  • 2019/04 桂川美穂さん、 梅田 泉さんが、プロジェクト研究員として着任しました。
  • 2019/04 長澤 俊作さん、 峰 海里さんが、東京大学の大学院生として本研究室のメンバーとなりました。
2018年度
  • 本研究室の桂川美穂さんの博士論文「The effect of interaction with the interstellar medium on the over-ionisation of plasma in evolved supernovae remnants」が第5回(2018年度)高エネルギー宇宙物理連絡会博士論文賞を受賞しました。写真はこちら。
  • FOXSI-3ロケット実験の打ち上げに参加した修士課程の古川さんの勇姿が、 European Geophysical Union-Solar and Terrestrial Divisionのブログに載っています。こちら。
  • 論文「Suzaku X-ray observations of the mixed-morphology supernova remnant CTB 1 (桂川他)」がPublications of Astronomial Society of Japan (PASJ) に受理されました(2018年10月)
  • 2018/08/27-31 博士課程の米田さんがTeVPA 2018 (TeV Particle Astrophysics 2018)国際会議の口頭発表に選ばれました。
  • 2018/08/08 日経産業新聞に宇宙観測検出器の医学研究への応用がとりあげられました。
  • 論文「Development of 60μm pitch CdTe double-sided strip detectors for the FOXSI-3 sounding rocket experimen (古川他)」がNuclear Instrument and Method, A (NIM A)に受理されました(2018年7月)
  • 2018/06 平成30年度科学研究費助成事業「新学術領域研究(研究領域提案型)」に採択されました。ホームページはこちらです。
  • 2018/6/15 大学院受験者向け,東京大学カブリIPMUの説明会@柏キャンパスが行われました。
  • 2018/5/25-26 東京大学大学院物理学専攻の入試説明会@本郷が行われました。

  • 2017年度のニュースはこちらです。

主な活動

宇宙の「加速器」研究

X線,ガンマ線の観測結果を主に用い,活動銀河核からのジェットや超新星残骸など,「宇宙の巨大加速器」と目され,地上ではとても実現できないような高いエネルギーをもった粒子を加速している天体を中心に,その観測的,理論的研究を進めています。

これまで,数々の大気球実験,ロケット実験,衛星実験に関わってきました。現在では,Fermiガンマ線観測衛星,H.E.S.S.TeVガンマ線望遠鏡などの国際協力実験に参加するほか,ミネソタ大,カリフォルニア大学SSL,NASAや国立天文台、名古屋大学、JAXA宇宙科学研究所、東京理科大学と共同でロケット実験FOXSIを進めています。

新しいガンマ線イメージャの異分野への展開

カブリIPMUの実験室では,CdTeやSiの半導体センサーを用いた先端的ガンマ線イメージャの開発を行ない,宇宙観測を目的に開発された先端的衛星搭載硬X線・ガンマ線検出器を異分野の様々な課題を解くために活用しています。JPARCの負ミュオンビームを用いたイメージング実験などのほか,がん幹細胞研究のための生体内3Dイメージングに応用するなど医学の喫緊の課題を解くための研究を新たに開始しました。カブリIPMUはJAXAと共に「硬X線・ガンマ線イメージング拠点」を立ち上げました。本研究室は,その中核として拠点のメンバーや医学や薬学の研究者と共に,新しいガンマ線イメージャの開発とその応用研究を進めています。放射線計測のための様々な検出器技術や信号処理LSI、画像処理、機械学習などのハードウェアからデータ科学、さらには化学プローブの開発にいたる広い範囲での研究を行なっています。平成30年度科学研究費助成事業「新学術領域研究(研究領域提案型)」に採択され、「新しいガンマ線イメージャの異分野への展開」の活動をさらに加速することが可能となりました。


ニュース (2017-)


2017年度
  • 論文「Monte-Carlo simulations of the detailed iron absorption line profiles from thermal winds in X-ray binaries (都丸他)」 がMonthly Notices of the Royal Astronomical Society (MNRAS)に受理されました(2018年2月)
  • 論文「Search For Gravitational Redshifted Absorption Lines In LMXB Serpens X-1 (米田他)」がMonthly Notices of the Royal Astronomical Society (MNRAS)に受理されました(2017年12月)
  • 修士課程の古川さんがHSD11国際会議(11th International "Hiroshima" Symposium on the Development and Application of Semiconductor Tracking Detectors)で口頭発表に選ばれ、発表を行いました。(2017年12月)。
  • 論文「A compact imaging system with a CdTe double-sided strip detector for non-destructive analysis using negative muonic X-rays (桂川他)」がNuclear Instrument and Method, A (NIM A)誌に受理されました。初めてのミュオン原子からのミュオンX線のイメージングについてです。(2017年11月)
  • 論文「Development of Si-CMOS hybrid detectors towards electron tracking based Compton imaging in semiconductor detectors (米田他)」がNuclear Instrument and Method, A (NIM A)誌に受理されました。初めての電子飛跡検出用のSiーCMOSハイブリッド検出器についてです。(2017年11月)
  • 2017年のIEEE Glenn F.Knoll Radiation Instrumentation Outstanding Achievement Awardを高橋が受賞しました.(2017年11月) (IEEE: 米国電気電子学会)  
  • 博士課程の米田さんがフランスでひらかれたNDIP17国際会議(New Developments of Photo Detection) で最も優れた発表賞(Best Presentation Awards)のPierre Besson prizeに選ばれました。(2017年7月)。