ASTRO-H衛星
(2015年度打ち上げ予定 ISAS/JAXA)
ASTRO-H搭載SGD検出器の試験
(2015年,ISAS/JAXA)
開発中のASTRO-H衛星
(2014年,JAXA筑波宇宙センターにて)
FOXSIロケット実験打ち上げ
(2012年)
SPring-8での実験 (2008年)
すざく衛星の打ち上げの瞬間
2005年7月10日
ISAS/JAXA
気球実験 (2003年)
本研究室は「すざく」衛星、「フェルミ」衛星などの人工衛星、ロケット、大気球などの飛翔体を用いた宇宙X線やガンマ線の観測を通して、宇宙の高エネルギー現象及び宇宙の構造と進化の研究を行っています。
特に、ブラックホールの近傍からのX線・ガンマ線放射、活動銀河核ジェットからの広範囲な波長域にわたる放射、超新星残骸や銀河団における粒子加速にともなう硬X線放射など、十分に理解が進んでいない「宇宙における非熱的な放射をもたらす現象」や「天体に潜む非熱的なエネルギー」が主な研究対象です。2015年度に打ち上げた
次期X線衛星ASTRO-Hの開発に、提案時から非常に深くかかわり、その実現に邁進しました。
数10keVから数10MeVのガンマ線による宇宙観測は、X線天文学に比べて大きく立ちおくれており、これまで高い感度での観測が行なわれてきませんでした
本研究室では、X線,ガンマ線衛星を用いた観測的研究と並行して、テルル化カドミウムなどの新しい半導体技術、VLSI技術、コンピュータ技術を駆使した新しいガンマ線検出器の開発を進めており、気球実験、加速器実験などを通じて実証実験を行ってきました。
これらの検出器、特にCdTe硬X線イメージャーやSi/CdTe半導体コンプトンカメラ(超広角コンプトンカメラ)は素粒子実験や原子核実験などへの応用も始まっており,JPARCやSPring8を用いた物理実験をそれぞれの分野の研究室と共同で行っています。さらに核医学イメージングや、放射線モニター、非破壊検査など、民生用途への広い展開が期待されており、現在も原子力や医学系の大学研究室などと共同で応用研究を行なっています。
本研究室は1995年に発足しました(歴史は
こちら)。本研究室に属する大学院生は、半導体コンプトンカメラなどの最先端の検出器開発に携わると同時に、
高エネルギー宇宙物理学分野の様々なテーマに取り組んで研究を行っています(
博士論文,修士論文一覧参照)。
本研究室は海外に広く共同研究者がおり(後述)、大学院生は積極的に海外に派遣されています。検出器を自ら開発し、加速器、ロケット、気球、衛星と
実験の現場で常に「物理の実験屋」として活動することを大切にするようにしています。
大学院生へのメッセージ(1) :
宇宙・夢・人(ISASニュース)から
大学院生へのメッセージ(2) :
X線で見るダイナミックな宇宙
本研究室はStanford大学(KIPAC/SLAC)、マックスプランク研究所(Heldelberg)、Yale大学の研究者などと共同で高エネルギー宇宙物理学分野の研究を進めるほか、
広範囲の実験プロジェクトを進めています。2004年11月に打ち上げられたガンマ線バースト探査用Swift衛星ミッションではガンマ線検出器(BAT)チームの
一員として活動しました。Fermiガンマ線衛星(2008年6月11日打ち上げ)やH.E.S.Sチェレンコフ望遠鏡のメンバーでもあります。現在,
世界初の硬X線望遠鏡を用いた太陽の撮像観測ロケット実験(FOXSI-3)を日米協力で行っています。また、硬X線観測を主眼としたFORCE衛星計画,太陽を観測して,磁気リコネクションが,天体での「速い」加速に果たす役割を研究するPHOENIX衛星計画,大型X線衛星のAthena(欧日米)などの将来の国際ミッションの立案作業にも参画しています。
本研究室の卒業生が,大学院時代の研究,そして,それをさらに発展させた研究について,天文月報に記事を書いています。是非,ご覧ください・
高橋・国分研究室が所属する大学院
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東京大学大学院理学系研究科物理学専攻(高橋)、および
総合研究大学院大学宇宙科学専攻(国分)