領域概要Overview

宇宙は現在膨張しており、徐々に冷え、銀河は少子高齢化し、いずれは光を失い真っ暗な空間となる。一方、宇宙初期に遡ると、宇宙は小さく、濃く熱くなり、全ての物質がばらばらの素粒子となる。しかし、その巨大なエネルギーと物質がどうやって生まれたのかは未だに謎である。特に宇宙創生の瞬間には、観測可能な約138 億光年の宇宙全体が10−26 cm よりも小さく、宇宙そのものが量子の世界であったと考えられている。そこでは、時間と空間そのものが量子的になり、これまでに構築されてきた物理法則は適用できない。
「宇宙創生」は自然科学の究極のテーマである。この大きな問題に挑むには、宇宙を観測する天文だけでなく、極小の宇宙で主役であった素粒子、既存の測定・観測の限界を超えてブレークスルーにつなげる量子計測やAI・機械学習などの最先端の技術、そして新たな物理法則を構築する理論の、従来は異なる分野に属する研究者が集結する必要がある。これは必然的に既存の分野を大きく超え、新たな学術分野を創出することになる。これが本学術変革領域の目的である。
本領域は、宇宙創生の物理を探究すべく、
- 宇宙創生期の信号
- シミュレーター
- 物理法則の時間変化
- 宇宙創生期の理論
4 つのアプローチで宇宙創生の物理に挑む本領域の研究戦略。複数のアプローチと複数の計画研究班を組み合わせることで、それぞれの物理現象に迫る。
計画研究班には、
- 理論班
- A01: 宇宙論、A02: 素粒子論
- 宇宙観測班
- B01:すばるPFS、B02: CMB 観測
- 地上実験班
- C01: 原子時計、C02: レーザー干渉計、C03: マイクロ波量子計測、C04: 超伝導回路宇宙
理論(A 班)・観測(B 班)・実験(C 班) が4 つのアプローチを通して有機的な共同研究を展開し、既存の分野を超えて宇宙創生という究極のテーマに向けた新たな学術分野を創出する。

