宇宙創生の物理法則はなにか?- 理論・観測・実験の融合によるスケールを超えた挑戦 宇宙創生の物理法則はなにか?- 理論・観測・実験の融合によるスケールを超えた挑戦

計画研究:観測 B01すばるPFS を用いた宇宙創生の物理および
ダークエネルギーの時間変化の探求

研究代表 高田昌広

 すばる主焦点多天体分光装置Prime Focus Spectrograph (PFS) は、主焦点面に配置された約2400本の各々のファイバーを遠隔操作で制御し、正確に天体を捉え、380~1260nm の広い波長帯にわたって、2400 天体を同時に分光観測できる極めて強力な装置である。このPFS を用い、赤方偏移範囲z = [0.6, 2.4] にある約400 万個の輝線銀河を分光観測し、銀河3 次元分布を構築する。この銀河3 次元分布データから、宇宙創生期に生じた原始ゆらぎを精密に測定し、原始非ガウス性などの統計的特性を探索する。

 また、バリオン音響振動(BAO) スケールを測定し、インフレーションのシミュレーターとして後期宇宙における加速膨張のダイナミクス、すなわち加速膨張を駆動するダークエネルギーの性質を明らかにする。特に、2025 年3 月に米国DESI が報告した時間変化するダークエネルギーの兆候について、徹底的かつ独立な検証を行う。

 さらに、他の計画研究班(A01、A02、B02、C01、C04)と連携して、宇宙の曲率、微細構造定数の時間変化、アクシオン場の観測的兆候など、本領域の宇宙創生物理の主要課題をPFS データから探索する。

本計画研究の研究項目。すばるPFS の分光データから3 次元銀河分布を構築し、バリオン音響振動(BAO)スケールおよび原始ゆらぎを測定する。測定結果から、時間変化するダークエネルギーの有無を検証するとともに、宇宙の曲率、原始非ガウス性、等曲率ゆらぎ、微細構造定数の時間変化、アクシオンの兆候、ニュートリノ質量などを探索・制限する。

代表者
高田 昌広 Masahiro TAKADA
東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構 教授 総括
分担者
森谷 友由希 Yuki MORITANI
国立天文台 ハワイ観測所 助教 装置、観測・較正、データ解析


矢部 清人 Kiyoto YABE
国立天文台 ハワイ観測所 助教 観測、データ解析


史 晶晶 Jingjing SHI
東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構 特任助教 観測、物理解析


Leander THIELE
東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構 特任助教 AI・機械学習、物理解析


Nhat Minh NGUYEN
東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構 特任研究員 物理解析、理論