宇宙創生の物理法則はなにか?- 理論・観測・実験の融合によるスケールを超えた挑戦 宇宙創生の物理法則はなにか?- 理論・観測・実験の融合によるスケールを超えた挑戦

計画研究:実験 C01原子時計で探る宇宙創生の物理

研究代表 川崎瑛生

 宇宙初期の急激な膨張の名残は基礎物理定数、特に微細構造定数α を変化させる可能性がある。本研究では中性イッテルビウム(Yb) 原子にある431 nm と578 nm の2 つの遷移を用いた原子時計が刻む時間のずれを探すことで、α の時間変化を探索し、宇宙創生の物理を探究する。

 431 nm 遷移はα の変化に対する感度が高い。この遷移を用いて、まずは171Yb で光格子時計を作る。次に、原子1 つ1 つを隔離してトラップ可能な光ピンセットアレイを構築し、より高い安定度が期待される174Yb を用いた原子時計を作る。この原子時計と既存の578 nm 遷移を用いた光格子時計の時の刻みを比較するにあたり、レーザーの安定度を16 桁の水準に向上させると、超軽量ダークマターに対応するα の振動に対する感度が過去の報告より1 桁向上する。さらに、年単位で継続的に周波数比を測定して、線形ドリフトに対しても最高感度の測定を目指す。また、原子物理の実験系を用いて宇宙創生の物理を探求する新たなアイデアを他の研究班と協力して模索する。

本研究計画の概要。α/αは微細構造定数の時間変化、Lockはレーザーの安定化を示す。

代表者
川崎 瑛生 Akio KAWASAKI
産業技術総合研究所 計量標準総合センター 主任研究員 取りまとめ、Ybの新時計遷移の分光
分担者
小林 拓実 Takumi KOBAYASHI
産業技術総合研究所 計量標準総合センター 主任研究員 Ybの光格子時計の運用


西山 明子 Akiko NISHIYAMA
産業技術総合研究所 計量標準総合センター 主任研究員 ultrastable cavityのアップグレード