2003年度後期講義「微分幾何学I」
目次
開講のお知らせ
10月7日
10月14日
10月21日
10月28日
11月4日
11月11日
11月18日
12月2日
1月20日
試験問題
合格者発表と講評
10月7日(火)開講
2004年1月20日が最終講の予定. 単位は試験で認定する.
過去の対応する授業のレジュメは, http://www.kusm.kyoto-u.ac.jp/~nakajima/Lecture/99_Bibunkika.html にある。
11月25日は, 11月祭後片付けのため休講.
授業内容
微分幾何学は, 微分可能多様体やその上の構造(リーマン計量など)を主に微分・
積分を用いて調べる学問です. この講義では, 空間内の曲面の微分幾何学に始
まって, 抽象的なリーマン多様体, ベクトル束の微分幾何, 複素多様体の微分幾何学的取り扱いなどを取り扱います.
参考文献は, 講義中に適宜紹介するつもりですが, 取り敢えず今の時点で以下
のものを挙げておきます.
参考文献
- 小林昭七: 曲線と曲面の微分幾何(改訂版), 裳華房
- 森田茂之: 微分形式の幾何学2, 岩波講座 現代数学の基礎
- 加須栄篤: リーマン幾何学, 培風館
10月7日にやったこと
§1. リーマン幾何へのintroduction
- ユークリッド空間の二点を結ぶ長さが最短の曲線が直線であることの証明
- 球面の二点を結ぶ長さが最短の曲線が大円であることの証明
- Poincare円板の定義, および長さが最短の曲線が境界と垂直に交わる円であることの証明
10月14日にやったこと
- 直線の満たす微分方程式 d2 c(t)/dt2 = 0 を変分法で導く
- 曲線に沿った共変微分 ∇ の定義
- 変分法による測地線の方程式 ∇/dt (dc(t)/dt) = 0 の導出
10月21日にやったこと
- R3にはめ込まれた曲面について, 法ベクトルの定義, 型作用素の定義
- ガウス曲率, 平均曲率の定義
- 第一, 第二基本形式の定義
- 幾つかの例で計算
- ガウスの驚きの定理を紹介
10月28日にやったこと
- リーマン計量, 定義と例
- (r,s)型テンソル φ: X(M) x...x X(M) --> X(M) x...x X(M) の定義
- アファイン接続と捻れ(torsion) T, 曲率(curvature) R テンソル
- Christoffel記号
- リーマン計量から定まるLevi-Civita接続の存在と一意性
11月4日にやったこと
- 写像 f : S --> M に沿ったベクトル場とその共変微分
- 測地線の方程式
- はめ込み f : S --> (M,g) があったとき, g の制限 f*g のLevi-Civita接続と第二基本形式αについて
11月11日にやったこと
- 曲率テンソル R の満たす性質
- 断面曲率の定義
- R3にはめ込まれた2次元多様体 M のガウス曲率は, 断面曲率に等しい.
§2. ベクトル束とその接続
11月18日にやったこと
- 変換関数
- ベクトル束の接続
- 接続の局所的な表示
- 接続形式の変換公式
12月2日にやったこと
- 曲率の定義
- 曲率の局所的な表示
- テンソル積の接続, 誘導束の接続
- 接続の定める外微分作用素
演習問題
1月20日にやったこと
演習問題の解説
試験問題
pdf file, gzipped postscript file
合格者発表と講評
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nakajima@kusm.kyoto-u.ac.jp