ダークマターの正体は何か?- 広大なディスカバリースペースの網羅的研究

計画研究:B01 実験班
重力波望遠鏡とレーザー干渉計実験による超軽量ダークマター探索

研究代表 道村 唯太
 大型のレーザー干渉計型重力波望遠鏡と、小規模な光リング共振器の双方を用いて、10-11 eV程度以下の質量をもつ超軽量ダークマターをかつてない精度で探索する。極めて軽い新粒子は特に宇宙論の観点から有力なダークマター候補である。本研究では特に、光子とわずかに相互作用するアクシオンや、鏡にわずかな力を与えるゲージボゾンといった未発見粒子に着目する。

 アクシオンは光子との相互作用により光の偏光面を周期的に変化させることが知 られている。そこで、重力波望遠鏡の出力光の偏光を精密に計測することで、アクシオン探索を行う。重力波望遠鏡では線形光共振器を用いており、共振器長に対応した特定の質量にのみ高感度となるため、周回長1 mの光リング共振器を製作して相補的な広帯域探索も行う。また、非標準的な力によって生じる鏡の変位を重力波望遠鏡で精密に計測することにより、 ゲージボゾン探索を行う。日本のKAGRAはサファイア鏡を用いる世界で唯一の低温重力波望遠鏡であり、世界で類を見ない高感度なゲージボゾン探索が可能となる。
メンバー
研究代表者
道村 唯太 Yuta MICHIMURA
東京大学 ビッグバン宇宙国際研究センター 准教授 研究統括、光リング共振器とKAGRAを用いたアクシオン探査とゲージボソン探査

研究分担者
藤田 智弘 Tomohiro FUJITA
お茶の水大学 物理学科 講師 データ解析と新探査手法の開発

Leonardi MATTEO
国立天文台 重力波プロジェクト 特別客員研究員 / University of Trento, Italy 助教 重力波、光学素子評価

三代木 伸二 Shinji MIYOKI
東京大学 宇宙線研究所 教授 重力波、KAGRA開発


はじめに

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