ダークマターの正体は何か?- 広大なディスカバリースペースの網羅的研究

計画研究:B03 実験班
広視野かつ高時間分解能天体イメージングによるダークマター探索

研究代表 宮崎 聡
 我々は超広視野カメラHyper Suprime-Cam(HSC)を開発し、すばる望遠鏡に搭載して、広い天域にわたり多数の微光遠方銀河の詳細な形状計測を行い、弱重力レンズ解析により宇宙におけるダークマターの大局的な分布を明らかにしつつある。この大局的分布は、加速膨張宇宙のメカニズムの研究にとってユニークなデータを提供している。一方で、この大局的な観測からはダークマターそのものの性質(ダークマター粒子の質量や相互作用)に関する詳細な情報を得ることはできない。現在検討されている多様なダークマター粒子候補の違いは、銀河や銀河団の小スケール密度分布の違いにあらわれるため、より高空間分解能を高めたダークマター密度分布の測定によってはじめてその観測的検証が可能となるためである。

 我々は、高速読み出し可能なCMOSセンサーを開発し、ラッキーイメージングという手法を採用することで空間解像度を改善する。これにより、より多くの銀河の形状を精密に測定することできるため、弱重力レンズ解析の制度を向上させ、従来より高精度なダークマター密度分布の観測が可能になる。また高速読み出しによりもたらされる時間分解能の向上によりマイクロ重力レンズの観測パラメータを大きく広げることもできる。HSCを用いた大域的な重力レンズ測定とCMOSセンサーによる高分解能重力レンズ測定を組み合わせることで、多様な観測から高精度のダークマターモデルの検証を行う。
メンバー
研究代表者
宮崎 聡 Satoshi MIYAZAKI
国立天文台 先端技術センター 教授 研究全体の総括、CMOS開発

研究分担者
小宮山 裕 Yutaka KOMIYAMA
国立天文台 ハワイ観測所 助教 CMOSカメラ製作・観測

鎌田 有紀子 Yukiko KAMATA
国立天文台 先端技術センター 技師 CMOS開発

川野元 聡 Satoshi KAWANOMOTO
国立天文台 ハワイ観測所 特任研究員 ラッキーイメージングアルゴリズム開発

大栗 真宗 Masamune Oguri
東京大学 大学院理学系研究科 助教 観測とデータ解析


はじめに

ページのトップへ戻る